土地区画整理・不動産法務・都市計画
バブル後遺症~土地区画整理事業における債務超過
地価下落が招く「再減歩」と「賦課金」の重圧、そして長期化する事業
2012.10.04
土地区画整理事業とは、ごく簡単に言えば、形の悪い土地を整形し、道路の位置や形状を整備することで、土地の経済的価値を高めていく事業です。
土地区画整理事業の基本的な流れ(減歩と保留地の概念)
事業資金は、地権者から一定割合で土地を納めていただく「減歩(げんぶ)」を行い、施行者がその土地を「保留地」として販売することで捻出されます。 しかし、バブル崩壊後に地価が下落したことで、この仕組みが大きなリスクへと転じました。
地権者を襲う「再減歩」と「賦課金」
保留地販売が不振(面積の伸び悩みや価格の下落)になると、資金不足を補うために、地権者はさらに土地を納める「再減歩」、あるいは土地を提供できない場合に金銭負担を求める「賦課金(ふかきん)」を要求される事態となります。
【債務超過の悪循環】
販売価格の下落 → 工事費用の捻出困難 → 事業の長期化 → 金融機関からの借入金利負担の増大(数十億単位) → 最終的な負担が地権者や自治体に転嫁。
硬直化した「地区計画」の弊害
債務超過問題を拡大させた主要な原因として、施行者の硬直的な姿勢が挙げられます。 例えば、60坪規制など最低敷地面積を規制する「地区計画」を、市場の需要を無視して維持し続けた結果、保留地や仮換地の流通価格が下落し、事業資金の枯渇と地権者の不満を招きました。
現在、全国で約1500地区(組合施行は約740地区)が施行中であり、日本のまちづくりにおいて重要な役割を果たしています。 それだけに、この債務超過問題は看過できない公共的課題と言えます。損害を拡大させないための弾力的な運用が今、施行者側には求められています。