ユウキ法律事務所ロゴ
弁護士コラム

弁護士コラム

国土・農地法・地籍調査

日本の国土について~背骨のように列島を貫く山々

山岳国ゆえの土地規制と、希少な平地を巡る権利関係の複雑さ

2014.03.16

日本列島は中央を背骨のように山脈が貫いています。そのため、平地は国土全体の30%程度にすぎず、あとは山岳地帯、森林地帯です。中央アルプスの山頂に立ち、晴れた日に辺りを見渡せば、日本がいかに山ばかりで平地が少ないかを肌で感じることができます。

中央アルプス山頂からの景色

日本の中央を貫く山々の連なり

このような地形ゆえ、交通網の整備やインフラの維持管理には膨大なコストがかかります。山岳地域に造られた膨大なトンネルのメンテナンスだけでも、今後の大きな課題となるでしょう。

農地規制と地価の希少性

開発に向いた平地の希少価値は必然的に高まります。そのため、農地を宅地化する「農地転用」は自由ではなく、食料自給率確保の観点から厳しい許可制となっています。近年では、遊休農地を太陽光発電用地として活用する開発競争も激化しています。

バブル期には「東京23区の地価合計がアメリカ全土に匹敵した」と言われるほど、日本の宅地単価は極めて高額です。限られた平地をいかに有効利用するかが、常にこの国の至上命題となってきました。

停滞する地籍調査と境界の課題

国土を有効利用する上で「地籍調査」は重要ですが、全国の進捗率は50%前後にとどまっています。特に山岳地帯での調査は困難を極めます。先代の名義のまま代替わりが進み、一筆の土地の共有者が100人を超えるケースも珍しくありません。境界を知る世代も少なくなっており、筆界特定制度などを駆使した地道な作業が求められています。

地震大国ゆえに形成された険しい山脈。決して「使い勝手のよい国土」とは言えないかもしれませんが、そこには四季折々の豊かな表情があります。法的・技術的な課題に向き合いながら、この素敵な国の土地利用を支えていきたいと考えています。