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弁護士コラム

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定期借地権・不動産法務

東京お台場 大江戸温泉物語と定期借地

事業用定期借地権の期間満了に伴う返還義務と更新制度の違い

2014.06.21

東京お台場にある「大江戸温泉物語」。ゆりかもめテレコムセンター駅からすぐ、東京港湾合同庁舎の隣に位置するこの施設は、江戸情緒を楽しめるエンターテイメント施設として、日本人だけでなく外国人観光客にも大人気です。

大江戸温泉物語 外観

夜のお台場に佇む「大江戸温泉物語」

筆者も何度かリフレッシュに訪れたことがありますが、浴衣で江戸の町並みを模した施設内を歩き、朝風呂やアカスリを満喫してそのまま出勤、という過ごし方ができる素晴らしい場所です。しかし最近、この施設の営業が定期借地の関係で終了するかもしれないとの懸念から、改めて足を運びました。

定期借地権の「更新」と「返還」のルール

大江戸温泉物語は、東京都から定期借地契約(事業用定期借地権)により敷地を調達し、2003年に開業しました。当初の借地期限である10年が経過した際、東京都との合意により一旦は期限が延長されたようですが、定期借地である以上、最終的には更地にして返還する義務が伴います。

【定期借地権と普通借地権の比較】

  • 定期借地権:一定期間の経過で更新されないことが原則です。当事者の合意による再契約は可能ですが、賃貸人側に延長に応じる義務はありません。
  • 普通借地権:期間満了時、更新が原則となります。賃貸人が更新を拒否するには「正当事由」が必要とされ、居住権や事業継続性が強く保護されます。

定期借地は更新が保証されていない分、借地料がリーズナブルに設定されることが一般的です。開発が急速に進む埋立地などの臨海地域では、この定期借地の手法が有効に活用されています。

お台場の風景の一部となっているあの江戸情緒が、契約満了によって見られなくなるのは寂しいものがありますが、借地契約の法的な枠組みの中では避けられない課題でもあります。今後どのようになるのか、注目しています。