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弁護士コラム

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借地借家法・不動産登記

借地上の建物所有者の登記名義人は借地権者と同じ人ですか?

第三者への対抗要件を欠くことによる「建物収去・土地明渡し」のリスク

2014.11.27

借地権は、借地借家法により、正当な理由のない限り更新することが原則とされています。居住権として非常に強い効力が付与されており、借地上にマイホームを建てて生活されている世帯も多くあります。

ただし、一点、極めて重要な注意点があります。それは、「建物の所有名義人と借地権者は同一人でなければならない」という点です。あるいは、土地自体に借地権(賃借権)の登記を備える必要があります。

対抗要件を欠いた場合の最悪のシナリオ

これらの措置を講じていない状態で、地主が土地を第三者に売却し、その第三者が土地所有権移転登記を備えた場合、大きなトラブルに発展します。

土地の新所有者から「建物を収去し、土地を明け渡せ」と求められた場合、最高裁の判例によれば、原則として借地権を土地の新所有者に対抗できないとされています。せっかく建てたマイホームを取り壊し、借地権も失ってしまうという、最悪の事態が現実のものとなるおそれがあるのです。

【よくあるケース:親の借地に子が家を建てる】
お父さん・お母さんの名義で借りている土地に、子供夫婦が自分たちの名義でマイホームを建てるような場合です。この状態は、第三者に対する対抗力を欠いた非常に危うい状態です。

子供が安心して居住を継続できるようにするため、あるいは借地権の経済的価値を保全するためにも、借地権の名義を建物名義人(子供)に合わせるよう変更するなど、法的基盤を確立しておくことが重要です。地主との交渉や名義変更の手続きには専門的な判断が求められますので、ぜひ一度ご相談ください。