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弁護士コラム

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行政問題・土壌汚染・不動産鑑定

築地市場の豊洲移転問題の論点~不透水層と公金支出

汚染対策の技術的前提と、不動産取引の公正性からみた価格の乖離

2016.09.27

汚染土壌は綺麗になったから安全性に問題はないとの指摘もみられますが、そもそもどのような汚染対策が実施されたかという土台から考える必要があります。簡単に言えば、敷地に鋼の矢板を「不透水層」まで差し込み、囲まれた中の汚染土壌をクリーニング(希釈化)し、地表に盛土してコンクリートで覆うという対策です。

ここで重要な大前提となるのが、地層部分の不透水層が地下水や汚染物質を通さないという点です。不透水層が機能しなければ、外から再び汚染物質が侵入する可能性があるからです。豊洲地区は東京ガス工場跡地であり、2008年の調査では環境基準の43,000倍のベンゼン等が検出された経緯があります。

不透水層の性質と液状化リスク

不透水層といっても、実際には「難透水層(通しにくい)」と「非透水層(通さない)」に分類され、その厚みも均一ではありません。首都直下型地震などで形質変更が生じた際の安全性シミュレーションが十分なされているのか、検証が必要です。

マスコミは建物の真下の「地下空間(盛土なし)」に注目していますが、それだけでは表層的です。東日本大震災で液状化が起きた事実を考慮し、施された対策の効果についても納得のいく説明がなされるべきでしょう。

公金支出の適正性:汚染コストと購入価格の矛盾

公金の適正使用という観点でも、大きな問題を抱えています。高額な汚染対策費用がかかる土地であるにもかかわらず、坪単価およそ150万円という高額で公金を支出して購入しているからです。

【不動産取引の観点】
江東区の他の工業地域の公示価格と比しても高額であり、土壌汚染対策費用を勘案すれば、大幅な値下げがなされない限り公正な取引とは言えません。


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