建築訴訟・リフォームトラブル
リフォーム工事の責任追及は決して簡単ではない
新築時瑕疵・経年劣化との切り分けと、裁判実務におけるハードル
2020.02.25
リフォーム工事後、お住まいに瑕疵があった場合、工事業者の責任の所在について考えることがあると思いますが、本気で工事業者の法的責任を追及するとなった場合、決して簡単なことではありません。
なぜなら、リフォームでは新築と違って、以下の可能性を常に排除できないからです。
① 経年変化による劣化の可能性
② 新築工事の際の瑕疵が原因である可能性
①か②のいずれかである場合、リフォーム工事と不具合との間に因果関係はないことになりますので、原則として工事業者の責任は認められません。裁判所もリフォーム工事の審理にあたっては、この点を非常に強く意識します。
専門部(民事22部)の扱いと実務のハードル
東京地裁民事22部は建築訴訟事件を専門的に取り扱っていますが、その主な対象は新築物件であり、中古物件(リフォーム)は扱っていません。つまり、リフォーム工事案件は原則として建築専門部ではなく、通常の民事部に配点されることになります。
リフォーム案件は、前述の「原因の切り分け」の難しさに加え、図面関係が整っていないこともままあります。建築訴訟を専門としない通常部で、根拠資料の乏しい事案を争うことは、新築に比して極めてハードな側面があります。
【トラブル防止のために】
トラブルになってからの事後処理は非常に困難を極めます。とりわけリフォーム工事については、発注前に業者から納得のいく説明を十分に受け、現状の建物の状態を把握した上で契約に臨むことが、最大の防御となります。