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弁護士コラム

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建物明渡・賃貸借トラブル

賃料不払い等を理由とする建物明渡請求事案

被告が訴状を受け取らない、あるいは行方不明な場合の訴訟進行

2020.02.27

一般的には、滞納が3か月続いた場合、催促と同時に「相当期間内に支払いなければ賃貸借契約を解除する」旨の通知を行います。それでも支払がない場合、未払い賃料の支払と建物明渡を求める訴えを提起することとなります。

滞納者の場合、提訴後の手続きがスムーズにいかないことがよくあります。例えば、裁判所から被告宅へ訴状を送付しても受領せず、送達が完了しないケースです。いつまでも送達が完了しないと訴訟が進まず、オーナー側は困ってしまいます。

「付郵便送達」による解決

このような場合、付郵便(ふゆうびん)制度を利用します。これは、仮に被告が訴状を受領せずとも、発送をもって送達したとみなす訴訟手続き上の措置です。これにより、被告が現実に受領しなくても、口頭弁論期日を開催し、審理を進めることが可能になります。

【重要:現住性の調査】
付郵便が認められるためには、被告の「現住性(そこに実際に住んでいること)」が必要です。そのため、原告側において現地調査を行い、表札の有無、電気メーターの動き、近隣への聞き込み結果などをまとめた調査報告書を裁判所に提出しなければなりません。

「公示送達」による解決(行方不明の場合)

調査の結果、被告が既に夜逃げや失踪をしており、どこにいるか全く不明な場合は公示送達(こうじそうたつ)の手続きを検討します。

これは、裁判所前の掲示板に「訴訟が提起された旨」を一定期間掲示することで、送達があったものとみなす手続きです。住民票の異動も追えず、完全に所在が不明な場合に利用されます。

建物明渡請求は、手続きの「停滞」がそのままオーナー様の損失(賃料機会の喪失)に直結します。相手が逃げたり受け取らなかったりする場合でも、法的な手続きを駆使して早期に判決を得ることが肝要です。