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弁護士コラム

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建築基準法・都市計画法

確認対象法令を巡る話

建築主事・指定確認検査機関による都市計画法適合性の審査権限

2020.02.29

建築基準法6条1項1号から4号に該当する建築物を建築しようとする場合、工事着手前に、計画内容が建築基準関係規定に適合するものであることについて、確認審査を経る必要があります(建築基準法6条1項)。

都市計画区域外で一般的な2階建て木造家屋を新築する場合は確認が不要になるのが原則です。ただし、確認申請が不要になる場合があるというだけで、建築物として建築基準法上の各種規定をクリアする必要はあります。

ところで、確認審査に際して、市町村の建築主事や指定確認検査機関が審査対象とすべき法令は、建築基準法施行令9条1号〜16号や通達(昭和61年3月28日建設省住指発第80号)等で挙げられています。しかし、具体的案件において審査事項の中身が必ずしも明らかでないために、判断を巡って争いになることがあります。

都市計画法適合性に関する審査権限の対立

特に「宅地開発が都市計画法令に適合しているか」という点について、審査機関に実質的な審査権限があるかどうかが問題となります。これについて、下級審の判断は分かれています。

【否定説】形式的・外形的審査

建築主事等は、都市計画法施行規則60条の証明書が添付されているかを確認するに留まるとする立場。開発許可権者(知事等)の判断を尊重する考えです。

判例:東京高判平4.9.24 / 仙台高決昭58.8.15 / 横浜地判平17.2.23 / 水戸地判平3.10.29 等

【肯定説】実質的審査権限あり

建築主事等にも、法適合性を実質的に審査する権限があるとする立場。建築確認の適法性をより厳格に問う考えです。

判例:東京高判平12.4.13 / 大阪地判平30.3.22 / 大阪地判平21.9.9 / 京都地判昭62.3.23 等

建設省の通達(住指発第80号)は「否定説(形式的審査)」に近い立場をとっています。その主な理由は、都道府県知事等を都市計画法29条の開発許可権者と定め、その要否判断を専門の許可権者に委ねている点にあります。

建築確認申請において、どの法令までが審査の対象となり、どの程度の深さまで審査されるべきかは、建築主にとっても隣接住民にとっても極めて重要な問題です。当事務所では、こうした行政手続きを巡る法解釈のトラブルについても精通しております。