建築技術・住宅品質
外壁通気構法に関するトラブル
壁体内の結露を防ぐ「空気の道筋」と施工上の留意点
2020.03.02
外壁通気構法では、外壁の下と上に空気が通る層(通気層)を設け、壁内の水蒸気が外部に放出されるよう透湿防水シートを貼ります。この構法の採用により、壁内の湿気を外部に放出することで、結露を防ぎ、構造体の腐食防止に繋がります。
外壁通気構法における空気の流れ(棟換気の有無による違い)
一般社団法人日本窯業外装材協会(NYG協会)では、住宅の気密化に伴う壁体内結露を解決するため、本構法を全国標準工法としています。主なメリットは以下の通りです。
- (1) 結露防止:壁体内の乾燥を保ち、構造体の腐朽を防ぎ家を長持ちさせる
- (2) 雨水排出:隙間から浸入した雨水を屋外へ速やかに排出する
- (3) 遮熱・省エネ:通気層による遮熱効果で外気温の影響を抑制する
施工上の致命的なミス:「空気の通路」の遮断
外壁通気工法において最も重要なのは、空気が流れる経路を確保することです。空気の入口(サイディング最下面の隙間)と出口(軒裏の換気口など)が適切に設けられているかがポイントとなります。
【注意すべき施工誤り】
窓(開口部)まわりなどで空気の通路を遮断してしまうケースが見受けられます。経路が断たれると、通気構法の効果が発揮されず、外壁のはらみや壁材の腐食を招く原因となります。
品確法と標準工法の時期について
外壁通気構法が標準化されたのは、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)施行による住宅性能評価に関連する平成12年(2000年)頃です。
そのため、それ以前に施工された住宅については、通気構法が採用されていないこと自体を直ちに瑕疵として争うことは困難と考えられます。築年数と当時の基準を照らし合わせた適切な判断が必要です。