建築基準法・判例解説
確認申請における敷地の二重使用は違法
建ぺい率・容積率違反を招く計画と、業者・銀行の説明義務(最判平18.6.12)
2020.03.06
建築確認申請において、敷地の二重使用により、既存建築物の建ぺい率や容積率違反を来す行為は当然ながら違法です。しかし、確認審査において発覚せず、後行の建築物の確認が下りてしまうことが稀にあります。
敷地の二重使用のイメージ(コンセプト図)
こうした事態を視覚的に分かりやすくするため、CADで正確なイメージを作成してみました。一つの敷地としてカウントされていた土地の一部を、別の建物の敷地として二重にカウントしてしまうことで、元の建物が容積率違反(違法建築)となってしまう構造です。
CADによる敷地の二重使用による建ぺい率・容積率違反の解説図
最高裁判所が認めた説明義務違反
こうした事案に関連して、最高裁ではハウスメーカーの担当者の説明義務違反を認めた判例があります(平成18年6月12日最判・判タ1218号215頁)。
この事件では、担当者が顧客に対し、容積率制限の限界に近い建物を建築させた後、その敷地の一部を売却して返済資金に充てる計画を提案しました。裁判所は、同計画に建築基準法上の問題があることを説明しなかった点に説明義務違反があると判断しました。
【特記すべき点】
同最高裁では、ハウスメーカーだけでなく、融資銀行の担当者にも説明義務違反が生じうる旨を判示しています。金融機関であっても、法的に破綻している資金調達計画を看過することは許されないという厳しい判断です。
なお、本件の担当者は顧客に対し「建築主事が敷地の二重使用に気付かなければ建築に支障はない」といった、建築基準法の趣旨にもとる驚くべき説明をしていたことが認定されています。コンプライアンスが重視される現代において、こうした「バレなければ良い」という発想は、大きな法的リスクを招きます。