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弁護士コラム

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不動産・建築・立ち退き

続き~増し積み擁壁と説明義務違反

行政規制のリスクと、裁判所の建築知識不足を補う戦略について

拙著ブログの「増し積み擁壁と説明義務違反」の記事の補足です。

なぜ「増し積み擁壁」は生まれるのか?

まず、増し積み擁壁というのは、どういう発端で生じるかという点です。
典型的な例としては、法面に飽き足らず、貪欲にフラットな宅盤を求めることで生じます。

斜面の土地よりは平坦な土地が使いやすい、そこで、斜面の土地に盛土し、その盛土を抑えるための擁壁を積み増すということです。

宅地造成工事規制区域でのリスク

増し積み擁壁が、宅地造成工事規制区域内でなされると大変リスキーな事態となります。
宅地造成工事許可を取得しなければならないところ、取得していなければ、特定行政庁としては、建築計画物及びその敷地の安全性を確認できないため、擁壁を改修しない限り、建築確認はおりません。

したがいまして、上記事情を売買に先立ち適切に説明していない場合、契約の有効性や説明義務違反の問題が浮上します。

結局のところ、物理的に危険かどうかという観点もさることながら、行政規制をクリアできなくなる(家が建てられない)リスクを伴います。

裁判所リスクと実務的な対策

もっとも、裁判所というところは、果たして、建築確認がおりるのかおりないのか判定できる十分な知見を備えていないため、審理が長期化する裁判所リスクと隣り合わせのトラブルになる虞があるということも肝に銘じておく必要があります。

さらに敷衍しますとこうした裁判では、単なる机上の議論ではなく、以下のような「裁判所の知見を補う民事訴訟制度の利用」の検討も必要になってきます。

  • 確認の事前相談ではなく本申請を行い、確認がおりないことを公的に確定させ、証拠提出する
  • 建築士の専門委員に関与してもらう

こうした専門的な戦略を立てられるかどうかが、解決への鍵となります。